☝︎文房具バカのイチオシ

文房具をこよなく愛す福岡人。映画と読書もジンセイの友♫

【書評】世界のニュースが立体的に見えてくる「経済は地理から学べ!」

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ブラタモリ」は録画予約して欠かさずチェック。すべてBlu-ray Discに焼いて永久保存している文房具バカ半兵衛です。旅に行く前と後に「ブラタモリ」を見ると、その土地が身近に感じられるから不思議・・・・。
この番組の影響からでしょうか、最近本屋へ行くと地理や地形に関する書籍が多く見られますね。
そんな中で、「この本は読む価値がある」と感じた一冊と出会えましたのでご紹介します。

 タイトルは、経済は地理から学べ!」
筆者の宮路秀作氏は代々木ゼミナールの地理の先生。さすが人気講師ですね。「わかりやすい図」や「イラスト」が多く、雑学的に読むことができました。地理に詳しくない自分でも「なるほど」と思わせてくれるハードルの低い本です。

 

 

1.結論「手元に置いて、繰り返し読みたくなる一冊」

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高校時代の地理の授業は、ケッペンの気候区分や地形など機械的に丸暗記させらた記憶があります。つまらなかったなぁ(苦笑)
しかし、本書を読むと「地理とは、これほど奥深くて役に立つのか」と教えられます。
学生が読めば勉強になるし、社会人が読めば政治や経済の学びにつながる本。世界を俯瞰的に見れるので、株や投資をされている方も一読の価値があるのではないか、と。

 

2.世界情勢が立体的に見えてくる

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「なぜ、トランプ大統領はTPPから離脱するのか?」「なぜ、土地も資源もない日本が経済大国になれたのか?」
このような経済ニュースの9割が、地理というレンズを通せば、理解できると宮路氏は断言します。緯度や地形や気候などの条件に、水や資源の有無がかさなり、各国は政治的な動きをするのだ、と。
今を知るためにも「地理」の知識が不可欠であることを教えられます。

 

3.印象に残った箇所:石油の世紀から『水の世紀』

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日本ではどこにいても、水道の蛇口をひねれば、安全な水がいくらでも出てくる。それはたぐいまれな幸せだ。国土全体で水道水を安全に飲める国は、フィンランドスウェーデン、ドイツ、オーストリア、スイス、南アフリカ共和国、オーストラリア、ニュージーランドなど、世界に15ヵ国しかない。
この地球上で約7億人が水不足にあえぎ、食料生産への影響から、食料不足にもつながっている。途上国の工業化や生活水準の向上が水需要を押し上げ、世界の大河川では、上流での水需要が増えたために下流で水が枯渇し始めて、水争いが起きている。
日本はユーラシア大陸の東にあって偏西風の影響が弱く、モンスーンの影響が強い。そのため年降水量は世界平均の2倍以上。また島国だから、隣国と水資源を巡って争う必要がない。

 

4.使えそうな『ネタの宝庫』

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この本には、雑談に使えそうなネタが散りばめられています。
例えば、本書のp234〜237の『イギリス料理が「マズい」といわれる本当の理由』
イギリスはかつての氷食地なので土地がやせているためジャガイモ以外の野菜があまり育たない。加えて、「400年近くも支配階層にいたジェントルマンが食事にほとんど興味を持たなかった。これはイギリス料理の発展にとって致命的な足かせになった」と氏はいいます。
これに「産業革命」という要素が加わり、食べることに関心のないイギリス人が形成された、と。
この4ページを読んだだけで、「ああ、だからイギリス料理はマズイんだ」と納得できるんですね。

 

diamond.jp


☝︎最後のイチオシ

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。今回、ご紹介した「経済は地理から学べ!」。著者の宮路氏が予備校の先生ということもあって、スラスラ楽しく読めました。
大学生や社会人が、地理をグローバルな視点で学びなおすにはベストな入門書と思います。僕と同じように「ブラタモリ」が好きな方は、好奇心をより刺激されるのではないでしょうか。
それでは、また。アディオス!アミーゴ!
NO BUNBOUGU,NO LIFE!

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